遺産相続のやり直しは可能?期限や時効がある手続きについて解説

2025-05-13

遺産相続のやり直しは可能?期限や時効がある手続きについて解説

この記事のハイライト
●遺産相続では手続きをしなければならない「期限」と権利の損失や取得を認める「時効」が存在する
●期限や時効がある遺産相続手続きは相続放棄や相続税申告、相続登記などである
●遺産分割のやり直しは可能であるが相続人全員が納得している必要がある

相続時に遺産分割をおこなったものの、何らかの理由でやり直しをしたいと思っている方もおられるのではないでしょうか。
しかし、遺産分割に関する手続きには時効や期限があり、これを理解していないとデメリットとなる可能性があるため注意が必要です。
そこで、遺産相続の手続きの期限や時効とはなにか、遺産相続の手続きの種類や遺産分割のやり直しについて解説します。
朝霞市・和光市で遺産分割のやり直しをご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

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遺産分割のやり直しは可能?相続の時効と期限について

遺産分割のやり直しは可能?相続の時効と期限について

遺産相続では、手続きに時効や期限が定められているケースがあります。
ここでは、相続時の時効と期限とはなにかを解説します。

遺産相続の時効とは

時効とは、一定期間における事実上の状態を尊重し、権利の喪失および取得を認めるための制度です。
時効は、さらに「消滅時効」と「取得時効」に分けられます。
消滅時効
消滅時効とは、期間内に手続きをしなかった場合、権利が消滅して手続きができなくなる期間を指します。
たとえば、法定相続人が本来受け取るべき遺留分を侵害された場合は、その事実を知ってから1年以内に手続きしなければ、権利が消滅してしまいます。
取得時効
取得時効とは、一定期間権利者として振る舞うことによって、その権利を取得できる時効のことです。
たとえば、第三者の土地を20年間占有し続けると、最終的にその権利を取得することが可能です。
このように、時効は権利の喪失や取得を認める制度となります。

遺産相続の期限とは

遺産相続における期限とは、その期限内に手続きをおこなわなければならないと定められた限度の期間のことです。
たとえば、相続税の申告には期限が設けられており、その期限は相続開始から10か月以内とされています。
これは、権利の喪失や取得とはまったく関係のない「期限」です。
ただし、消滅時効については、一定の期間内に手続きをしなければ権利が損失するため、一種の期限ともいえます。
このように「時効」と「期限」は、似ているようでまったく異なる概念であることも覚えておきましょう。

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遺産分割のやり直しは可能?期限のある遺産相続の手続きの種類について

遺産分割のやり直しは可能?期限のある遺産相続の手続きの種類について

遺産相続の手続きは、手続きの種類によって時効や期限が異なります。
ここでは、期限のある遺産手続きについてと、遺産相続の時効の種類を解説します。

期限がある遺産相続手続き

遺産相続において期限が設けられているものは以下のとおりです。

  • 死亡届:死亡後7日以内
  • 健康保険、年金の手続き:厚生年金は死亡後10日以内、国民健康保険と国民年金は死亡後14日以内
  • 相続税の申告:相続の開始を知ってから10か月
  • 相続登記:不動産を相続したことを知ったときから3年以内

なお、期限までに手続きをしない場合は、何らかのペナルティが科される可能性があるため注意が必要です。

時効がある遺産相続手続き

時効がある遺産相続手続きには、以下のようなものがあります。
相続放棄の時効
相続放棄とは、現金や不動産のプラスの財産から借金などのマイナスの財産すべてを放棄することをいいます。
この相続放棄の時効は、相続開始を知ったときから3か月以内です。
つまり、3か月以内に申し出なければ相続放棄の権利は消滅し、それ以降は放棄することができなくなります。
遺留分侵害額請求権の時効
遺留分侵害額請求権とは、遺留分を侵害された場合に、侵害した方に金銭で支払うよう求める権利のことをいいます。
この請求ができる権利にも時効があります。
遺留分侵害額請求権の時効は、相続開始および遺留分の侵害を知ってから1年です。
仮に知らなかった場合でも、相続開始から10年を経過したときに請求権が時効により消滅します。
債権の消滅時効
債権とは、相手に対して特定の財産上の行為を求める権利のことです。
たとえば、亡くなった被相続人が第三者にお金を貸していた場合は、被相続人は返済を求める権利が生じます。
債権も相続財産の1つで、相続人はお金を貸していた方に返済を求めることができます。
この債権についても時効が設けられているため注意が必要です。
債権の時効は、債権者が行使できることを知ってから5年です。
また、権利行使できるときから10年を経過した場合も、自動的にその権利は消滅します。

遺産分割請求権には時効はない

亡くなった方が遺言書を残していない場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこなう必要があります。
遺産分割請求権とは、遺産分割協議で自分の遺産分割分を主張する権利のことです。
この遺産分割請求権には、期限や時効はありません。
しかし、期限がないからといって遺産分割を成立させずに放置しておくと共有状態になり、いざ売却など活用しようとしても共有者全員の同意が必要になってしまいます。
また、世代が進むごとに相続人が増えていき、権利関係が複雑化していくなど多くのデメリットやトラブルが生じやすくなります。
そのため、期限や時効はないものの、早めに対処することが望ましいでしょう。

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相続時に時効や期限がない遺産分割のやり直しは可能?

相続時に時効や期限がない遺産分割のやり直しは可能?

前述したように、遺産分割請求権には時効や期限はありません。
では、遺産分割のやり直しは可能なのでしょうか。
ここでは、遺産分割のやり直しはできるのか、またやり直しに時効はあるのかを解説します。

遺産分割はやり直しができる

結論からいえば、一旦成立した遺産分割協議でも「やり直し」することは可能です。
ただし、相続人全員が納得している必要があります。
つまり、1人でもやり直しに合意していない場合は、やり直しはできないため注意しましょう。
また、協議自体が無効となった場合もやり直すことができます。
具体的には、相続人全員が参加していなかった場合や、認知症の高齢者など判断能力がない相続人が単独で協議に参加していたような場合です。
前述したように、遺産分割そのものには時効や期限はありません。
つまり、何年経過しても遺産分割協議や調停、審判を利用して遺産分割することができます。
また、遺産分割のやり直しにも時効は設けられていません。

やり直しに時効が適用されるケース

遺産分割においてやり直しをしたとしても、基本的には時効は設けられていませんが、時効が適用される場合もあります。
それは、詐欺や脅迫、錯誤があったことを理由に遺産分割を取り消したい場合です。
遺産分割を取り消してやり直しを求める「取消権」には、取り消せる事由を知ってから5年以内と時効が設けられています。
つまり、5年を過ぎると取消権は消滅し、やり直しを求められなくなってしまうため注意が必要です。

遺産分割をやり直しする際の注意点

遺産分割をやり直しするときには注意しなければならないことがあります。
それは、やり直しにより相続人が変わると、贈与とみなされ贈与税が発生してしまう点です。
ただし、協議が無効となった場合は、贈与税は発生しません。
また、不動産の所有権を新たな相続人へ移すと、不動産取得税がかかることも注意しましょう。

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まとめ

遺産相続には、期限が設けられている手続きがあり、期限を過ぎるとペナルティが科される可能性があるため注意が必要です。
また、時効により消滅もしくは取得できる手続きもあるため、相続放棄などを検討している場合は早めに手続きをおこないましょう。
なお、遺産分割はやり直しすることはできますが、相続人全員の同意が必要になることや税金が課されることに注意が必要です。
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