実家の相続税はかからない?特例の計算についても解説

2026-08-18

実家の相続税はかからない?特例の計算についても解説

この記事のハイライト
●実家の相続では遺産総額が基礎控除額以下または特例の適用対象であれば税金はかからない
●土地の評価額を大きく下げる小規模宅地等の特例は同居親族や家なき子などの要件を満たせば利用できる
●相続税額は実家などの評価額から借り入れ金や葬儀費用を差し引いたうえで基礎控除を引いて計算する

親から実家を相続することになったけれど、多額の相続税がかかってしまうのではないかと不安でお困りではありませんか。
相続税の有無は不動産単体ではなく現金を含めた遺産総額で決まりますが、複雑な制度や控除の仕組みを理解せずに放置してしまうと、必要以上の税金を納めることになりかねません。
本記事では、実家の相続で税金がかからないケースの基準をはじめ、税負担を大幅に軽減できる「小規模宅地等の特例」の仕組みや具体的な計算手順について詳しく解説いたします。
これから実家の相続を控えており、少しでも損をせずに正しい手続きを進めたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

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実家の相続で相続税がかからない基準

実家の相続で相続税がかからない基準

実家の相続における課税判断には、主に遺産総額と基礎控除額の関係があります。
まずは、実家の相続において相続税がかからないケースについて解説していきます。

遺産総額が課税の基準

相続税は実家だけで判断するのではなく、亡くなった方が遺した財産全体の合計額をもとに計算します。
預貯金や有価証券、貴金属などに加え、一定額を超える生命保険金や死亡退職金、対象となる生前贈与も含めて整理します。
一方で、住宅ローンや未払いの医療費などの債務、一定の葬儀費用は財産額から差し引くことが可能です。
また、墓地や仏壇など日常の礼拝に用いる財産は、原則として相続税の対象になりません。
そのため、実家の評価額だけを見て慌てず、加算する財産と控除できる費用を確認し、正味の遺産額を把握しましょう。

基礎控除以下の非課税

正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかからず、相続税の申告も必要ありません。
基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で求め、配偶者や子どもなど民法上の相続人を数えます。
たとえば配偶者と子ども2人が相続人なら、基礎控除額は4800万円となり、この範囲内なら非課税です。
また、相続放棄をした方がいても、基礎控除の計算では放棄がなかったものとして人数に含めます。
ただし、代襲相続や養子がいる場合は数え方に注意が必要なため、戸籍を確認しながら正確に判定しましょう。

特例による非課税ケース

正味の遺産額が基礎控除額を超えていても、特例や税額軽減を利用した結果、納付する相続税が0円になる場合があります。
代表例は、実家の土地の評価額を大きく減らせる小規模宅地等の特例や、配偶者が利用できる税額軽減です。
これらを適用すると課税対象となる金額が縮小し、相続税の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用して税額が0円になるケースでは、申告書や添付書類の提出が必要です。
そのため、相続開始を知った日の翌日から10か月以内という申告期限を意識し、早めに適用要件を確認しましょう。

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実家の相続税負担を大幅に軽減できる特例

実家の相続税負担を大幅に軽減できる特例

前章では、基礎控除による非課税枠について述べましたが、評価額を大きく下げる特例の活用も重要といえます。
ここでは、相続税を大幅に減額できる代表的な特例について解説いたします。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例は、亡くなった方が住んでいた実家の土地などについて、相続税評価額を大幅に減らせる制度です。
実家の土地が特定居住用宅地等に該当すれば、330㎡までの部分を最大80%減額できます。
たとえば評価額が5000万円の土地でも、要件を満たす範囲は1000万円として計算できるため、税負担の軽減につながります。
ただし、減額対象となるのは主に宅地部分であり、建物の評価額が同じ割合で下がるわけではありません。
また、土地の利用状況や取得者によって要件が異なるため、面積や登記内容も含めて確認することが大切です。

同居親族における要件

配偶者が実家の土地を取得する場合は、居住や所有を続ける要件がないため、小規模宅地等の特例を利用しやすい仕組みです。
一方で、亡くなった方と同居していた子どもなどが取得する場合は、相続税の申告期限まで住み続ける必要があります。
また、同じ期限まで土地を手放さず、所有し続けることも要件です。
住民票だけでなく実際の生活拠点が確認されるため、形式的に住所を移しただけでは認められない可能性があります。
なお、二世帯住宅や老人ホーム入所中の実家では登記や利用状況が影響するため、事前に適用条件を確かめましょう。

家なき子特例の仕組み

亡くなった方と同居していなかった親族でも、一定の条件を満たせば、いわゆる家なき子の要件によって80%の減額を受けられます。
主な条件は、亡くなった方に配偶者や同居する法定相続人がいないことです。
また、取得する親族が相続開始前3年以内に、自分や配偶者などが所有する家屋に住んでいないことも求められます。
さらに、相続税の申告期限まで実家の土地を所有し続ける必要がありますが、相続後に実家へ移り住むことまでは必要ありません。
ただし、過去の所有歴などにも細かな条件があるため、賃貸借契約書や登記事項を確認して判断しましょう。

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実家の相続税がいくらかかるか計算する手順

実家の相続税がいくらかかるか計算する手順

ここまで、非課税になる基準や特例について解説しましたが、具体的な計算の流れもおさえておきましょう。
最後に、相続税の計算方法について、詳しく解説していきます。

相続税評価額の算出

最初に、実家の土地と建物が相続税の計算上いくらになるのか、相続税評価額を資料に基づいて確認します。
相続税評価額は実際の売却価格とは異なり、税務上のルールに沿って算出される金額です。
建物は原則として固定資産税評価額を用い、納税通知書や評価証明書などで確認できます。
一方で、土地は路線価が設定された地域では路線価方式を使い、面積や土地の形状に応じた補正をくわえて計算します。
また、路線価がない地域では固定資産税評価額に所定の倍率を掛けるため、路線価図や評価倍率表を用意して根拠を整理しましょう。

債務控除と遺産総額

次に、実家や預貯金などの財産を合計し、そこから引き継ぐ債務や一定の葬儀費用を差し引いて正味の遺産額を求めます。
控除できる債務には、住宅ローンや未払いの医療費、未納となっている税金などがあり、金額の確認も必要です。
また、通夜や告別式、火葬などに必要となった葬儀費用も、一定の範囲で差し引くことが可能です。
一方で、香典返しや法事、墓石の購入費用などは、原則として債務控除の対象になりません。
そのため、支出の内容がわかる請求書や領収書を保存し、加える財産と差し引ける項目を区別して整理しましょう。

課税対象額と税額の算出

最後に、正味の遺産額から基礎控除額を差し引き、残った課税遺産総額をもとに相続税を段階的に計算します。
まず、課税遺産総額を各法定相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定し、それぞれの取得金額を求めます。
次に、その金額へ相続税の速算表にある税率を掛け、控除額を差し引いて仮の税額を算出しましょう。
そして、各人の仮の税額を合計したあと、実際に受け取った財産の割合に応じて相続税総額を配分します。
さらに、配偶者の税額軽減などを適用できる場合は個別に差し引き、各相続人の最終的な納税額を確定しましょう。

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まとめ

実家の相続税は遺産総額全体を基準とし、基礎控除である3000万円と法定相続人1人あたり600万円を足した金額以下であれば非課税となります。
配偶者や同居親族などが小規模宅地等の特例の適用要件を満たすと、実家の土地の評価額を最大80%減額でき、税負担を大幅に軽減できます。
具体的な税額は、実家の相続税評価額から債務を差し引いたうえで基礎控除や速算表を当てはめ、各人の取得割合に応じて計算することになるでしょう。
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