相続税の基礎控除について!その他の控除制度も解説

2026-10-20

相続税の基礎控除について!その他の控除制度も解説

この記事のハイライト
●相続税は正味の遺産額から基礎控除を引いた部分に課税され控除額は法定相続人の数によって決まる
●基礎控除額の計算では代襲相続や相続放棄の扱いに注意が必要であり養子の人数には税法上の制限がある
●基礎控除以外にも配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例および未成年者控除などの税負担を軽くする制度がある

身内が亡くなり、ご自身が引き継ぐ財産に対して相続税がいくらかかるのか分からずお困りではありませんか。
相続税には基礎控除という非課税枠が設けられていますが、対象となる財産の把握や法定相続人の複雑な数え方など、専門的な知識がないまま正しく計算するのは難しいですよね。
本記事では、相続税の基礎控除に関する基本的な仕組みや算出時の注意点をはじめ、税負担を大幅に軽減できる基礎控除以外の控除枠についても解説します。
ご自身の相続税について正しく理解し、損をすることなく安心して手続きを進めたい相続人の方は、ぜひご参考になさってくださいね。

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相続税の基礎控除とは?

相続税の基礎控除とは?

相続税の仕組みには、主に基礎控除額の計算や対象財産の把握などがあります。
まずは、相続税の基礎控除の基本について解説していきます。

基礎控除の基本仕組み

相続税は、亡くなった方から受け継いだ財産のすべてに必ずかかる税金ではなく、一定の非課税枠が設けられています。
この非課税枠が基礎控除で、正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税の申告は必要ありません。
正味の遺産額は、遺産総額などから非課税財産や債務、葬式費用を差し引き、加算対象の贈与財産をくわえて求めます。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算し、法定相続人が1人なら3,600万円です。
そのため、まずは相続財産と債務を整理したうえで、法定相続人の人数を正しく確認することが大切です。

課税対象となる財産

相続税の対象には、現金や預貯金だけでなく、亡くなった時点で所有していた金銭的価値のある財産が幅広く含まれます。
たとえば、土地や建物などの不動産、株式や投資信託、自動車、貴金属のほか、著作権や特許権なども対象です。
また、死亡保険金や死亡退職金は遺産分割の対象外でも、みなし相続財産として課税対象になる場合があります。
一方、墓地や墓石など日常の礼拝に使うものや、一定の寄附財産は非課税です。
さらに、一定期間内の生前贈与や相続時精算課税制度による贈与財産も加算されるため、財産を漏れなく確認しましょう。

法定相続人の数の考え方

基礎控除額の計算に使う法定相続人とは、民法によって遺産を相続する権利が定められている方です。
法律上の配偶者は常に法定相続人となりますが、事実婚や内縁関係のパートナーは含まれません。
配偶者以外では、まず子が第1順位となり、子がすでに亡くなっている場合は孫が相続権を引き継ぐことがあります。
子がいなければ直系尊属、さらに直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。
たとえば妻と子ども2人なら法定相続人は3人となり、基礎控除額は4,800万円です。

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基礎控除額の計算で法定相続人を数える注意点

基礎控除額の計算で法定相続人を数える注意点

前章では、法定相続人の数が重要であることについて述べましたが、計算時にはいくつか注意点が存在します。
ここでは、基礎控除額を算出するときの注意点について解説します。

代襲相続人の数え方

代襲相続とは、本来相続人となる子などが被相続人より先に亡くなっている場合に、その子どもが代わりに相続権を引き継ぐ制度です。
たとえば、亡くなった子に3人の子どもがいる場合は、孫3人が代襲相続人となります。
基礎控除額を計算するときは、この孫をそれぞれ1人の法定相続人として数えます。
そのため、本来の相続人が子1人でも、孫3人が代襲すれば法定相続人は3人となり、基礎控除額は4800万円です。
なお、代襲相続人には養子のような人数上限がないため、該当する方は全員を人数に含めます。

養子の人数制限について

養子は民法上、実子と同じように相続権を持ちますが、相続税の基礎控除では人数の数え方に制限があります。
被相続人に実子がいる場合、法定相続人の数に含められる養子は1人までです。
一方、実子がいない場合は、養子を最大2人まで基礎控除の計算に含められます。
たとえば実子がいる方に養子が3人いても、税法上は養子1人だけをくわえて基礎控除額を計算します。
ただし、この制限は相続税計算上のものであり、遺産分割では養子全員が相続人として扱われる点を理解しておきましょう。

相続放棄者の人数確認

相続放棄とは、家庭裁判所で手続きをおこない、預貯金などの財産だけでなく借金などの債務も引き継がないようにする制度です。
民法上、相続放棄をした方は初めから相続人ではなかったものとして扱われ、遺産分割にも参加しません。
しかし、相続税の基礎控除額を計算するときは、相続放棄がなかったものとして当初の法定相続人の人数を使います。
たとえば妻と子ども3人のうち子ども全員が放棄しても、計算上は4人となり、基礎控除額は5,400万円です。
死亡保険金や死亡退職金の非課税限度額も同様ですが、放棄した本人が受け取る保険金には非課税枠を使えない点に注意しましょう。

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税負担を軽くする基礎控除以外の特例・控除枠

税負担を軽くする基礎控除以外の特例・控除枠

ここまで、基礎控除額の算出方法や注意点を解説しましたが、それ以外の控除制度も確実におさえておきましょう。
最後に、基礎控除以外の控除枠について解説していきます。

配偶者の税額軽減制度

配偶者の税額軽減は、法律上の配偶者が取得した財産について、一定の範囲まで相続税をかけない制度です。
配偶者が取得した正味の遺産額が1億6000万円、または法定相続分相当額のどちらか多い金額までなら相続税はかかりません。
そのため、法定相続分が1億6000万円を超える場合でも、その範囲内であれば軽減を受けられます。
ただし、対象は婚姻届を提出した配偶者に限られ、事実婚や内縁関係の方には適用されません。
また、税額が0円になる場合でも原則として相続税の申告が必要なため、期限までに遺産分割と申告手続きを進めましょう。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、相続した土地の評価額を一定割合まで下げ、家族の住まいや事業の継続を支える制度です。
特定居住用宅地等では、要件を満たせば自宅の敷地について最大330㎡まで評価額を80%減額できます。
たとえば評価額8,000万円、300㎡の自宅敷地が対象になれば、評価額を1,600万円まで圧縮できます。
また、事業用の土地は最大400㎡まで80%、貸付事業用の土地は最大200㎡まで50%減額できる場合があるのです。
ただし、取得者や居住状況などによって要件が異なるため、申告前に適用条件を確認することが大切です。

未成年者控除のメリット

未成年者控除は、18歳未満の法定相続人が財産を取得した場合に、本人の相続税額から一定額を直接差し引ける制度です。
基礎控除が課税対象となる遺産額を減らすのに対し、未成年者控除は計算後の税額を減らせる点が特徴です。
控除額は、満18歳になるまでの年数に10万円を掛けて計算し、1年未満の端数は切り上げます。
たとえば12歳4か月なら18歳までを6年として扱い、控除額は60万円です。
本人の税額から引ききれない場合は扶養義務者の税額から控除できますが、本人が財産を取得していることが適用条件です。

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まとめ

相続税は正味の遺産額から基礎控除を引いた額にかかり、控除額は3,000万円に法定相続人1人あたり600万円をくわえて計算します。
基礎控除に用いる法定相続人を数える際は、人数制限がない代襲相続や上限が設けられた養子、放棄がなかったものとして扱う相続放棄の特別なルールに注意が必要です。
基礎控除以外にも配偶者の税額軽減や土地の評価を下げる小規模宅地等の特例、未成年者控除などの制度を活用すれば、残された家族の相続税負担を大きく減らせるでしょう。
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